栄養価が高く、夏バテ対策や免疫力アップに効果的とされる「モロヘイヤ」ですが、一部では「毒がある野菜」として不安を感じる方もいるかもしれません。
実はモロヘイヤには種や成熟した葉・茎に毒性があるのは事実ですが、スーパーで販売されているものは、安全な部位のみが流通しており、正しく食べれば心配はありません。
ただし、食物繊維が豊富なため、一度に大量に食べるとお腹が緩くなることもあるので要注意ですよ。
この記事では、モロヘイヤの毒性に関する正しい知識、安全な食べ方や注意点、さらに美味しく食べるためのレシピもご紹介します。
安心してモロヘイヤを取り入れたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
モロヘイヤには毒性があるがスーパーのは安全
モロヘイヤには確かに毒性のある成分(特に「ストロファンチジン」という強心配糖体)が含まれていることがありますが、市販されているスーパーのモロヘイヤは基本的に安全です。
有毒部位は食用にされないから
モロヘイヤの「種子」や「莢(さや)」、成熟した葉や茎に毒性があります。
しかし、スーパーで販売されているのは、若葉や柔らかい茎のみで、毒性のある部位は含まれていません。
品種・栽培管理がされているから
農家では食用専用の品種(毒性の少ない種類)を栽培しており、食の安全基準に沿って育てられています。
また、収穫のタイミングも若い段階で行われるため、毒が蓄積しにくいのです。
流通前の検査や管理体制が整っているから
出荷前には品質チェックがされており、流通段階で毒性のある部分が混入しないよう厳重に管理されています。

「モロヘイヤに毒がある=すべて危険」ではなく、「特定の部位だけに毒性がある」ということだよ
スーパーで販売されているものを正しく調理すれば、栄養価が高く安心して食べられる野菜ですよ。
モロヘイヤを家庭菜園で栽培している場合は、収穫する際に毒性のある種子や莢などが混入しないように注意する必要があります。
モロヘイヤの種には毒性がある
モロヘイヤの種子には、毒性があるため注意が必要です。
(前略)モロヘイヤの種子には、強心配糖体(強心作用のある成分)が含まれることが知られ、誤った摂取は、めまいや嘔吐などの中毒を起こします。(後略)
引用 農林水産省
強心配糖体(強心作用のある成分)とは、ストロファンチジンという成分です。

ストロファンチジンってどんなもの?
モロヘイヤの毒性や症状について
ストロファンチジンとは、モロヘイヤなどの植物の種子や莢(さや)などに多く含まれる強心作用のある成分です。
摂取すると、めまい、腹痛、嘔吐、下痢、動悸、 心不全などの症状を引き起こす可能性があります。
種以外にも毒性のある部位がある
モロヘイヤの毒性がある部位は、種子や莢(さや)、発芽直後の若い葉、花が咲いた後にできるさや、 収穫時期を過ぎた茎です。
この部位にはストロファンチジンが多く含まれるため、絶対に食べないでください。
家庭菜園で栽培している場合は、種子や莢などが混入しないように注意して収穫しましょう。
ストロファンチジンは、収穫期の葉、茎、根の各部位並びに蕾(つぼみ)発生期の葉、茎、根、蕾の各部位には含まれません。
スーパーなどで市販されているモロヘイヤは、安全に食べられるように栽培・管理されており、種子も取り除かれていますので、安心してくださいね。
モロヘイヤは食べ過ぎ注意
モロヘイヤは栄養満点ですが、食べ過ぎには注意が必要です。
過剰摂取により、以下のような症状が現れることがあります。
・消化器系の不調:食物繊維が豊富なため、過剰摂取すると下痢や腹痛を引き起こすことがあります。
・腎臓への負担:モロヘイヤにはシュウ酸が含まれており、過剰摂取すると腎臓結石のリスクを高める可能性があります。
・まれに中毒症状:モロヘイヤの種子には毒性成分が含まれています。通常、市場に出回っている葉や茎には問題ありませんが、家庭菜園などで栽培している場合は、種子が混入しないように注意が必要です。
モロヘイヤの適切な摂取量
モロヘイヤの適切な摂取量は、個人の体質や健康状態によって異なりますが、一般的には1日あたり100g程度が目安とされています。
これは、生の状態で100g程度ということで、茹でたものだと約50gが目安量です。
モロヘイヤを安全に食べるためのポイント
モロヘイヤにはシュウ酸というアクが含まれているため、下茹でしてアク抜きを行ってから料理に使いましょう。

シュウ酸は加熱によって減少するため、生食は避け、茹でる、炒めるなどの加熱調理がおすすめだよ
家庭菜園などで栽培している場合は、種子が混入しないように注意して収穫しましょう。
モロヘイヤを食べた後に体調不良を感じた場合は、食べるのを控えてくださいね。
モロヘイヤの主な栄養成分と期待される効果
モロヘイヤは健康維持や美容に効果的な野菜として知られています。
そこで、モロヘイヤに含まれる主な栄養成分と、それらが体にどのような効果をもたらすのか見ていきましょう。
・ビタミンA、C、E:抗酸化作用があり、免疫力向上や美肌効果が期待できます。
・カルシウム、カリウム、鉄分:骨や歯を丈夫にしたり、血圧を調整したり、貧血を予防したりする効果があります。
・食物繊維:便秘解消や血糖値の上昇抑制に役立ちます。

健康や美容に良いから日々の食生活に取り入れたいね
簡単で美味しいモロヘイヤレシピ3選
モロヘイヤはクセが少なく、加熱するとぬめりが出て美味しくなる野菜です。栄養価も高いので、手軽に取り入れたいですね。
簡単で美味しいモロヘイヤレシピを3つご紹介します。
- 中華風スープ
- おひたし
- モロヘイヤと納豆のネバネバ丼
どれも時短&栄養満点なレシピです。特に夏場には食欲が落ちたときの救世主にもなりますよ。
モロヘイヤのとろとろ中華風スープ
・モロヘイヤの葉 1/2束
・鶏ガラスープの素 小さじ1
・水 400ml
・卵 1個
・塩こしょう 少々
・ごま油 少々
作り方
- モロヘイヤの葉を茹でて刻む。
- 鍋に水と鶏ガラスープの素を入れて沸騰させる。
- 刻んだモロヘイヤを加え、再度煮立ったら溶き卵を流し入れる。
- 卵がふんわりしたら、塩こしょうで味を調え、ごま油をひと回しして完成!
モロヘイヤのおひたし
・モロヘイヤの葉 1/2束
・しょうゆ 小さじ2
・かつお節 適量
作り方
- モロヘイヤをさっと茹でて水にさらし、水気を絞る。
- 食べやすく刻んで器に盛り、しょうゆをかける。
- 仕上げにかつお節をふって完成!

すりごまやポン酢でアレンジしても◎
モロヘイヤと納豆のネバネバ丼
・モロヘイヤの葉 1/3束
・納豆 1パック
・ごはん 1杯分
・しょうゆまたは納豆のたれ 適量
・刻みのり・卵黄(お好みで)
作り方
- モロヘイヤを茹でて刻む。
- 納豆と混ぜ、ごはんにのせる。
- お好みで卵黄や刻みのりをトッピングして完成!
まとめ
- スーパーで売られているモロヘイヤは毒性がある部分が含まれていないため安全
- モロヘイヤの種子や莢(さや)などに毒性がある
- 摂取すると、めまいや腹痛、下痢などの症状を引き起こす可能性がある
- モロヘイヤの毒性がある部位は、種子や莢(さや)、発芽直後の若い葉、花が咲いた後にできるさや、 収穫時期を過ぎた茎
- モロヘイヤの食べ過ぎは、下痢や腹痛を引き起こす可能性がある
- モロヘイヤにはシュウ酸といういうアクが含まれているため、アク抜きをしよう
- モロヘイヤには、ビタミンA、C、Eやカルシウム、カリウム、鉄分、食物繊維などが含まれている
モロヘイヤには毒性があるのは事実ですが、適切な知識と対策を行うことで、安全に美味しく食べることができます。
スーパーで売られているものは安全ですが、家庭菜園で栽培する場合は、特に注意しましょうね。
モロヘイヤは、適量を守って食べることで、健康や美容に良い効果をもたらしてくれる野菜です。
食べ過ぎには注意し、日々の食生活に上手に取り入れましょう。
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