春の山菜として人気の高い「わらび」。特に先端のくるんと丸まった穂先は見た目も可愛らしく、料理に彩りを添えてくれます。
しかし、ネットや一部の情報では「穂先は体に悪い」「毒性がある」などと心配する声もあり、気になっている方は多いのではないでしょうか。
しかし、適切なアク抜きを行えば、わらびの穂先は体に悪いということはなく、安全に食べることができますよ。

わらびの穂先自体が特別に体に悪いわけではありません。
ただし、アク抜きをしなかった場合、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで本記事では、わらびの穂先の安全性や毒性、発がん性の有無について徹底調査しました。
アク抜きのやり方や、穂先を使った簡単レシピも紹介します♪
わらびの穂先は体に悪い?
わらびの穂先自体が特別に体に悪いわけではありませんが、適切にアク抜きしないと健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
適切なアク抜きをすれば、わらびの穂先は安全です。
わらびには「プタキロサイド(ptaquiloside)」という天然の毒素が含まれており、これは未処理のまま大量・長期間摂取すると発がん性のリスクがあるとされています。
穂先には葉の成長点があるため、他の部位よりアクが強い傾向があります。
しっかりアク抜きすれば、プタキロサイドの多くは水に溶け出して除去されます。
アク抜き後のわらび(穂先含む)は、一般的な量を食べる分には健康上ほとんど問題ありません。
わらびの穂先は食べないほうがいい?食べれる?

わらびの穂先は食べられますか?
結論から言うと、アク抜きを正しく行えば穂先も食べて問題ありません。
わらび全体には「プタキロサイド」という天然毒素が含まれており、これは発がん性のリスクがあるとされています。
ただし、これは水溶性のため、アク抜きを行うことで大幅に除去可能です。
穂先もすれば、丁寧にアク抜きすれば安心して食べられますよ。
わらびの穂先は柔らかく、見た目も可愛らしいため、おひたしや炒め物、和え物にぴったりな部位です。味にもクセが少なく、むしろ好んで食べる人も多いです。

食べないほうがいいと言われるのは何で?
それは、穂先はアクが強く、未処理だと苦味や舌の痺れを感じやすいからです。
安心してわらびを楽しむためにも、アク抜きを丁寧に行いましょう。
穂先も含めて、正しく調理すればわらびは春のごちそうになりますよ。
プタキロサイドとは?発がん性の心配は?
プタキロサイドは、特に生のわらびに多く含まれ、大量・長期間の摂取ががんのリスクを高める可能性があるとされています。
ただし、通常の家庭料理で食べる程度であれば、適切なアク抜きをすればリスクはほぼゼロに近いと言えます。
生食やアク抜き不足のわらびを頻繁に食べない限り、発がん性を過剰に心配する必要はありません。
わらびの穂先を安全に食べるためのアク抜き方法
わらびの穂先を美味しく安全に食べるためのアク抜き方法を紹介します。
アク抜きの基本は茎と同じ方法でOKですが、穂先が崩れやすいのでやさしく扱うのがポイントです。
- わらび
- 重曹(食用)
- 沸騰したお湯
- 大きめのボウルまたは鍋
- 水
穂先を含むアク抜き手順
1.わらび全体を優しく洗う
穂先をつぶさないように、流水でそっと洗い土を落とします。
2.重曹をふりかける
わらび200gに対して重曹小さじ1程度。全体にまんべんなくふりかけます。
3.熱湯を注ぐ
沸騰したお湯を全体に注ぎ、穂先がくたっとなるまで浸します。
穂先が壊れないよう、直接鍋でグラグラ煮るのは避けましょう。
4.一晩放置(8〜12時間)
室温で自然に冷ましつつそのまま放置します。穂先も含め全体がやわらかくなります。
5.水にさらす(数時間)
翌朝、アクの出た水を捨て、きれいな水に2〜3時間さらす。
穂先をつぶさないよう、水替えはやさしく行いましょう。
- 穂先はアクが強いため、アク抜きが足りないと黒ずんだり、ぬめりや苦味が出ます。
- しっかりアク抜きすれば、黒ずみは減り、色もきれいな緑〜茶色になります。
アクが残っているかの見分け方として、穂先を少しかじってみて、苦みやエグ味がなければOKです。
ピリピリする刺激や、舌が痺れる感じがあれば、アク抜き不足です。
アク抜き不足だった場合は再アク抜きしよう
アク抜きが不十分だった場合でも、適切にリカバリーすれば食べられるようになります。
以下の方法で再アク抜きを行いましょう。
- 重曹(食用)
- 熱湯
- ボウルまたは鍋
- ザル
再アク抜き手順
1.水に軽くさらしておく
アクが出ているわらびを流水でやさしくすすぎ、ザルにあげておきます。
2.重曹を再びふりかける
わらび200gに対し、重曹小さじ1程度。特に穂先にも行き渡るようにしましょう。
3.熱湯を注ぐ
熱湯をたっぷり注ぎ、わらびが完全に浸かるようにします。

穂先が崩れないよう、熱湯をかけるだけにして煮ないこと!
4.再度放置(6〜10時間)
室温で自然冷却します。再アク抜きの場合は、一晩でなく半日程度でも効果ありますよ。
5.水にさらす(2〜3時間)
水を何度か替えながら、アクを洗い流します。
再アク抜きしても苦い場合の対処法

再アク抜きしてもアクが残る場合はどうしたらいい?
アクが強すぎる個体や、時間が経ったわらびは、どうしても完全に抜けにくいことがあります。
まだ苦いと感じる場合、対処方法は3つあります。
- よく水さらししてから油炒め(アクが和らぐ)にする
- 味噌や酢で調理してアクを感じにくくする
- 思い切って固い部分・穂先を切り落とす
アクが強いわらびを食べてしまった場合でも、少量なら軽い胃もたれや舌の刺激で済むことが多いです。
ですが、多量にアクの強いわらびを食べると嘔吐や下痢、めまいなど中毒症状が出ることもあります。
不調を感じたら、水を飲んで様子を見る、または医師に相談するようにしましょう。
わらびの穂先を美味しく食べる簡単レシピ3選
わらびの穂先を美味しく楽しめる、簡単で失敗しにくいレシピを3つご紹介します。
いずれもアク抜き済みのわらびを使ってくださいね。
- わらびに穂先のおひたし
- わらびの穂先と卵の炒め物
- わらびの穂先とツナのマヨ和え
どれも手軽で素材の風味を活かしたレシピです。保存がきくので、お弁当にもぴったりですよ。

お好みで七味唐辛子や柚子胡椒を加えると、大人向けの味にもアレンジできるよ♪
わらびの穂先のおひたし
- アク抜きしたわらびの穂先…100g
- しょうゆ…小さじ2
- だし(または水)…大さじ1
- かつお節…適量
作り方
- わらびの穂先を3~5cmに切る
- しょうゆとだしを混ぜておく
- 器にわらびを盛り、調味料をかけ、かつお節をのせる
わらびの穂先と卵の炒め物
- アク抜きしたわらびの穂先…100g
- 卵…2個
- ごま油…小さじ2
- 塩・こしょう…少々
- 醤油…小さじ1
作り方
- 卵を溶いて軽く塩を入れておく
- フライパンにごま油を熱し、わらびを1分ほど炒める
- 卵を加え、ふんわり混ぜながら炒める
- 醤油を少量回しかけて風味づけ

穂先の食感×ふわふわ卵が相性抜群!ご飯にも合うよ♪
わらびの穂先とツナのマヨ和え
- アク抜きしたわらびの穂先…100g
- ツナ缶(オイル漬け)…1/2缶
- マヨネーズ…大さじ1
- 醤油…少々
- 黒こしょう…お好みで
作り方
- わらびの穂先を食べやすい長さに切る
- ボウルでツナ・マヨ・醤油を混ぜて、わらびを和える
- 黒こしょうをふって完成
まとめ
- 適切なアク抜きを行えば、わらびの穂先は体に悪いということはなく、安全に食べることができる
- わらびには「プロキロサイド」という天然毒素が含まれており、発がん性のリスクがあるとされているが、アク抜きをすることで大幅に除去することができる
- アク抜きの方法は、重曹や熱湯を準備して一晩放置。穂先は崩れやすいので丁寧に行うこと
- アク抜きをしても舌が痺れるような感じがあれば、アク抜き不足の可能性があるので、再アク抜きをしよう
- わらびの穂先の簡単レシピとして「おひたし」「炒め物」「ツナマヨ和え」を紹介
わらびの穂先は見た目が柔らかくて美味しそうですが、未処理のままだとアクが強く、健康に影響を与える可能性もあります。
しかし、正しいアク抜き方法を守れば、穂先を含むすべての部位を安心して食べることができます。
自然の恵みであるわらびを、美味しく安全に楽しむために、しっかり下処理をしてからいただきましょう!
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